2017/03/25 02:58 午前

クラウス・トイバー作「さまよえるオランダ人」を3月に発売します。

  • 2016/02/26 11:30 午後
  • 投稿者:


ということで、先日お知らせしましたニューゲームズオーダーの新製品、1つめのお話です。
言わずと知れた「カタンの開拓者たち」の作者であるクラウス・トイバーの1992年作品「さまよえるオランダ人」を3月に発売予定です。
箱のサイズは弊社「ラー」と同様のサイズ(モダンアートと同じ底面積で厚みが増したサイズ)で、価格も同じく税込4860円予定です。
アートワークは完全新規で、「枯山水」「曼荼羅」のママダユースケさんにお願いしています。今回は一転して西洋画を描いていただきました。
…私は、今回も凄く良いと思っております!

いやあ。ついにこの領域に歩を進められたなあ、という感慨がございます。
ニューゲームズオーダーとしては「バルバロッサ」に続くトイバー作品となりますが、バルバロッサがあくまでもメジャーな、カジュアルな人気作なのに対し、
本作は現在「知る人ぞ知る」と太字で書かねばならない位置にあるゲームです。
言わば「埋もれてしまった」ゲームってことです。1992年のドイツゲーム賞(人気投票の方の賞)作品なのですが!
遊んだことのある方々からの評価と、最近ボードゲームを始められた方々の知名度に大きなギャップのあるタイトルでもあるでしょう。


…それは、ぼくらが出すべきゲームってことですね(笑)。


トイバーサイドからしても「随分古いゲームのオファーするねえ!」と意外だったようで、契約交渉は少々難航しましたが、結果何とかなりました。
これは嬉しかった!ぼくらにとっては随分昔に遊んで以来、忘れ得ないゲームです。

どういうゲームかと申しますと…ちょっと難しいのですが。トイバーのゲームは、他の作者のゲームより説明が難しい気がします。
言葉が足りない気がするのです。説明してみると、自分が味わったガツンとした面白さが伝えられない感が出る。ともあれ、まずは箱裏の画像をどうぞ。



プレイヤーは交易商となり、各自、自分が株券を持っている色の船が商売で成功することを目指します。
(株券は開始時に配られる3枚を隠し持ち、増えることはありません)
と言っても、どの色の船の株券の価値も、基本的には1ラウンド進むたびに1段階上がっていきます(盤外周の港と船コマで表示されています)。
このゲームで、商売を妨げる唯一の危険は「幽霊船」です。
海には「さまよえるオランダ人」と呼ばれる不幸を呼ぶ幽霊船が徘徊していて、これに出会った商船には破滅が待っています。
具体的に言うと、その船の株券の価値が暴落して0になった上、その時その色の株券を持っていたプレイヤーは全員、
暴落前の株券価値x所持枚数分の罰金、という。辛い!かなり高くなった自分の株券が暴落した時には、ホントに破滅級の衝撃があります(笑)。

独創的なのが、ボード中央のマップを移動するのは幽霊船のみということ。各色の交易船は、幽霊船の移動する「マス」になっているのです。
プレイヤーは「21」「35」のような2ケタの数字や「±1」「±10」などの数字が記された蹄鉄チップ(幸運のお守りなんだそうです)を組み合わせて使い、
「幽霊船をこのラウンドどっちに移動させるか評定」に参加します。
毎ラウンドの頭にダイスで決まる2ケタの「ラッキーナンバー」と同じ数値を蹄鉄チップで出せれば、幽霊船の移動先決定権を得られます。
幽霊船が踏んだマスの色の船の株が暴落しますので、各自隠し持った株券の色のマスを踏ませまいと頑張ることになります。
でもどの色持っているかは極力バレたくない。ラッキーナンバーを複数のプレイヤーが出したら?ここからが本番。交渉です(笑)。

「3金あげるから赤に動かさない?」
「いや~、それは困る。緑に行きたいなあぼくは」
「じゃあ4金あげるから赤行こう」
「やだって(笑)。お前絶対緑持ってるだろ!わかった5金払うから、緑に行かせてくれ!」
「うーん5金魅力だけど!…6金くれたら緑でいいよ!」
「えー6金ムリ!」

…といったような。各ラウンドでプレイヤーが取れる選択肢は、蹄鉄チップを使用しての幽霊船会議参加以外に、
蹄鉄を補充する「鍛冶屋」のアクションと、手持ちの株券を山札と2枚まで交換する「商館」のアクションがあります。
幽霊船を自分の思うように移動する程に蹄鉄が減るので鍛冶屋で補充し、避け切れない幽霊船を避けたり儲かりそうな船に株券乗り換える為商館に行き、
…とかやってると自分の本命の船に幽霊船迫ってくるぐわあああ、という丁々発止の(何故か幽霊船の方を動かすチクタクバンバン的な)駆け引きになります。
誰が何色の株券を持っているという推理から、誰が何を狙っているのか、次あいつが鍛冶屋行くなら自分が幽霊船動かして…、とか、
あいつも俺とおんなじで多分黄色持ってるから俺が頑張んなくてもあいつが幽霊船避けてくれるはず!と言った思惑絡みあう、
そして毎ラウンドのように誰かしらの「暴落したー!」という悲鳴が上がる、これぞボードゲームという一作です。


うーむ。書き殴ってみましたが何かやっぱり伝えきれない(笑)。ただまあ間違いなく言えることは、僕らは滅茶苦茶好きなゲームなのです。
こういった駆け引き満載の1時間ゲーム、というのが、今商業的にどうなのか?と言われたら、…正直半分わからないんですが(笑)。
少なくとも流行っちゃあいないでしょう。でもそれは、「皆さんが好きじゃないからだ、求められてないからだ」とは、私は思っておりません。
「ビックリする程無くなっているから、こういう方向性のゲームをご存じない方が多いんだろう」と思っています。

ボードゲームビジネスの、「凄く短時間で終わるカジュアルゲーム」と「2時間以上かかるヘビーゲーム」への二極化。
しばしば言われてるのですが、私そこは全然信じてません。
そりゃそういうゲームを売るのに比較的目鼻がつけやすいことは、仕事でやっている以上否定はしません。
でも1時間くらいで終わる、ちょっと難しい、でもちょっと遊びやすい、面白さの起承転結が備わったゲームは、(作るのはむしろ一番難しいんだと思いますが)格別面白いよと。
で、本当は「これだ、自分らが求めてたのは!」と思う、新しい人たちが、これだけボードゲームを遊び始める方が増えている今だからこそ、
たくさんいらっしゃるんじゃないかなあと。盤上に見えてる情報ばかり信じてると、最後負けるよ(笑)!それがボードゲームってもの!


ニューゲームズオーダーでボードゲームを作って売る毎日は、日本で今ボードゲームを遊んでいる方々がどんな風に感じて、考えて、楽しんでらっしゃるか、
それを感じ取って、考えて、楽しむ毎日です。枯山水が売れて、曼荼羅が売れた辺りから、私は随分希望を持っています。
ボードゲームを遊んでいただける皆さんが色んなゲームに面白さを感じるほど、面白く遊ぶほど、より幅広く、面白いゲームが生まれるんだと思いますので。
今ボードゲームを楽しんでる皆さんは、ちょっと古くからやってるぼくらが思ってた以上に、色んなゲームを、面白さを求めているんじゃないかと。
だから。埋まったさまよえるオランダ人を掘り出すのに、一丁勝負掛けさせていただくことにしました。






ボード、木製駒、木製ダイス、カード、チップに木製チップ立て6本。
このゲームのコンポーネントだと、ふつう値段は6000円とかになるかなーって所です。
それがなんで4860円にできるかというと、

ぶっちゃけた話今回5000部作ってみたんで(笑)。

これはちょっと古いボードゲーマーの方なら意味の分かる数字と思いますが、
いわゆるヨーロッパの平均的なボードゲームメーカーが初回で作って、でそれだけ売れれば成功、という合格ラインとして、
「5000部」というフレーズがしばしば言われます(最近じゃもっと初版が少ないゲームも多分欧米でもザラですが)。
2016年の日本で1992年作の「さまよえるオランダ人」が5000部売れたら、…楽しいよなあ、と思ってしまったのです。
もうドイツでも、世界のどこでも現行品が無いさまよえるオランダ人が、日本でだけは売れてるよってね。楽しんでるよってね。
それをクラウス・トイバーに言ってみたい、という挑戦。そういう勝負。というか遊びです。

まあそんなん関係無いたくさんの皆様も、頑張って作ってみましたのでー、よろしければ遊んでみてください。
フェレータの時もかなりやれた感は持ったんですが、今回のはよりレベルアップできた気もしています。これが通るなら、随分自由。

あ、あと5000部作った甲斐あって、4860円でも(枯山水とは違って)原価もいつも並みなので、「売れれば」ちゃんと儲かります!
売れなかったら…はっはっは。勝負勝負。ということで毎度長々書きましたが。
ボードゲームが好きな人、「さまよえるオランダ人」お勧めですよ。よろしくお願いしまーす!

トラックバック

このエントリのトラックバックURL:
http://www.b2fgames.com/trackback.php?id=20160226150201523