2017/12/16 10:28 午前

スルー・ジ・エイジズの話、の前置き。

  • 2016/08/12 10:00 午後
  • 投稿者:
少しずつスケジュールがずれている部分はあるのですが、古代ローマの新しいゲーム、ジュリエットと怪物、
そしてバルバロッサの再出荷が始まりました。これでラインナップの綻びがかなり回復したぞー、と思ったのも束の間、
パラノイアトラブルシューターズ、フェレータ、クー、ワンスアポンアタイムが品切れになっておりまして、
さらにはコヨーテ、ゲーム用紙幣、そして枯山水が品薄に。…切りがない(笑)。ちょっと前にもこんなことを言っていた気がします。
稼いだはずのお金が、毎度ながら、すいすいと吸い込まれてしまうのでございます。パブリッシャーとは!

ニューゲームズオーダーは、2012~13年辺りから本格化した自社製品路線への本格転換の際、
(もうご存知ない方も多いかもしれませんが2009年創業当初は「輸入ゲームにしっかりした印刷の日本語ルールをつける問屋」としてスタートしました)
中期目標として「質の良いゲーム50タイトルのラインナップを作り、これを継続的に流通させていく」ということを掲げました。
掲げながらにして(当時はリリースしたタイトルがまだ3個くらいでしたから)「できたら素晴らしいけど大風呂敷だなあ」と、
自分たちのことながら思っていた所はあります。
ただ、ボードゲームが草の根文化、徒手空拳だけでやっていく、という状況から一歩脱することを良しとする前提に立てば、
商業との親和性向上というのは当然のように視野に入ることでした。
そして、ユーザーの増加と利益拡大(品質向上/ラインナップ拡大→現場充実→儲かる→品質向上…というプラスのサイクルの開始)
のため、日本語版出版をその取り組みの中核とするならば、まあそれは50タイトルくらいは要るよね、という直観的な数字が出されました。
100は無茶だが10くらいでは≒無意味なので…、というような話も、当時社内でした気がします。
いや50も相当無茶なんですけど(笑)、という本音も抱えながらも、
「やるorやらない」という二者択一の前ではやらぬと言えるわけもなく(そういう病ですから)、
畜生やってやるさと3~4年取り組んできました結果、今の通りとなりました。50タイトル、もう手の届く辺りです。
というかもう届いたのか?具体的にはちゃんと数えてませんが(笑)、今年中でしょう。


得たものは大きい。


元をたどれば自分がの学生のころですから、20年も前から思い描いてきた計画です。
今改めて考えても、これはやった方が良かったのではないかなと思います。
商業という領域は、今の私たちが生きている空間でかなりの幅を占めていますから、そことの親和性を高めて、
上手い距離を取っていくのが大切だ。…というのが私の持論です(オーバードーズは禁物だと思いますが)。
自分(たち)が生む労働力をフルタイムでつぎ込むという上でも、つまり生計を立てるという上でも、これは大切。
ボードゲームを楽しんできた皆様にも、新しく楽しみ始めた皆様にも、いくらかメリットがあるように、できているかなと考えています。

しかし、得たものは大きいですが、これでは(やはり)得られないものがあるという確認もできました。
私たちの望むゲームの面白さとは、しばしば環境に弱く壊れやすく、それゆえに尊いものだと感じます。
望ましい遊びの環境は、時に容易に得られたかと思えば、時にはかなしいほどに得られず、そのため、面白いはずのゲーム(製品)は、
面白いゲーム(プレイ)を保証できない。上手く遊べたとき、「こんなに面白いゲームは無いなあ!」と思わせるゲームが、
違う時違う場所違う人とでは、何故かウンともスンとも言わないといった、気難しさが、気難しい魅力が、ボードゲームということなんだろうなあと。

…こういうものは、商業には向いていないかもしれません(笑)。
そんな中で比較的に環境に強いタイトルが、商業面で頼られることになりますが、それが=面白いゲーム、とは限らない。残念ながら!
売り上げランキングが、面白さランキングとリンクすることは…無いのかもしれません。
どこかで、利益と面白さ、二者択一、という要素、ありますねえボードゲーム商業。

そして私たちはここまで、なんだかんだ「面白さ」優先し過ぎましたね(笑)。
まあ、何ら悔いはなく、たとえ何回やり直しても、こうしてしまう気がしますが。
今のニューゲームズオーダーの商業的な状態は、ちょっと評価しにくいですが、「惜しい」のか、「ちょっとまずい」のか、どうかな、といったところです。
先日スルー・ジ・エイジズのリリース日を聞きにいらした、古くから遊んでらっしゃるのだろう(初来店の)プレイヤーの方に、
「SPIもアバロンヒルも潰れましたから、潰れないように頑張ってください」と仰っていただいて、ホント有り難いなあと感じました。
こういうことをブログに書こうと思ってましたから、ホント絶妙なタイミングでいただいたお声掛けだなと。
ゲームの歴史に名を残すパブリッシャーと並列に語っていただくこともそうですが、「テーブルゲームパブリッシャーは基本的に潰れる、儲からないから」
という前提もご理解いただいているということで(笑)。
潰れたり、休止したり、吸収合併されたりという海外のパブリッシャーが後を絶たない中で、
自己資金で、フルタイムでやっているゲーム専門のパブリッシャーとしての時間は、短くもなくなってきました。有り難いことで!
(海外のそういう話を聞いては、明日は我が身だな!と社内じゃ話してますが)

それを「いや、今後も元気にやっていきますよ?」というのが、ここからのわたくし共の戦いということになります。
その上では、これからのニューゲームズオーダーの出版には(勿論ファイナンシャルな要因から)、
今までと違うやり方が求められることになっています(外目にはあんまりわからないかもしれませんし、わからなければそれでいいのですが)。
まあ借金はしてないから最悪平気なんですが、文字通り「余裕は無い」し、規模が大きくなったから「明確な失敗」1回が致命傷になりかねない。
でも、これからも面白いゲームに向かって、お金は持ってるけどゲームは知らないみたいな人の横槍無く、
ゲームを作ってお届けしてまいりたい。その上では、新しい作戦が要ります(笑)。だからそれを練っています。

だから、2012年辺りからの私たちの(素晴らしく野放図な)やり方に一つ終止符を打つ予定なのが、
今月出す切り札「スルー・ジ・エイジズ」ということになっております。
9月リリース予定となりました「フードチェーンマグネイト」も、大物ですが、これについては事前にご予約ご支援をいただいて、ということを含め、
この2016年からのニューゲームズオーダーの新しいモードの出版形態、という位置づけになります。


スルー・ジ・エイジズ日本語版をニューゲームズオーダーが出すって、なーにをこの期に及んで無茶なことを、
って感じですが、まあ。出したかったんですよ(笑)。「面白い」ボードゲームの、重量級の象徴的存在ですからねえ。
この10年近く、ずっと言われてたんですよね。「スルー・ジ・エイジズの日本語版、いつかお願いします!」って、皆さんに。
「ないない、ムリムリ(笑)!」ってその度答えてましたけど、そりゃあやれるものなら、誰より僕らはやってやりたかった。
そうしたら最近、「無理、では、ない!」みたいな感じになっちゃったもので。出来心で。はっはっは。

とまあそういうスルー・ジ・エイジズのお話を、明日か明後日か、近日中に書きましょう。
あ、もちろん「その連呼しているスルー・ジ・エイジズってなんですか」という皆さんに向けてもご説明しまーす、よろしくお願いしまーす。

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