2017/03/25 05:01 午前

ニューゲームズオーダー製品のAmazon取り扱い開始のお知らせ、とそのご説明、その1。

  • 2016/11/12 05:12 午後
  • 投稿者:
http://www.b2fgames.com/article.php?s...6190450826

先日、枯山水英語版のAmazonで販売開始時に、あわせて今までAmazonとの直接取引をしてこなかった経緯についてお話ししていましたが、この度。
ニューゲームズオーダーは、Amazon.co.jpとの取引を開始しました。11月より随時出荷を開始しています。
直接のきっかけは「Amazonのホビー担当者の方から直接オファーがあり、ご来社いただき交渉した結果、合意に至ったから」ということになります。

長年にわたり(「敢えて」と言っていい選択として)直接取引をしてこなかったAmazonさんへの直接出荷を開始した理由について、
色々複合的にあり、具体的にどこからお話ししようかな、というところですが、

1. 2010年頃にニューゲームズオーダーの基本方針を決めた時と比べ、国内のボードゲームを取り巻く状況が大きく変わったこと
2. Amazon.co.jp側からのアプローチの変更と、こちら側の「誤解」についての説明を受け納得があったこと
3. ニューゲームズオーダーが提示した取引条件が軒並み通ったこと
4. ニューゲームズオーダーの目標とAmazonでの販売の「元からの親和性の高さ」
5. ニューゲームズオーダーの継続の為の収益力増強、新たな体制構築の必要性

といったことが挙げられます。1つ1つ突っ込むと全部長くなるのでざっくりと行きますが、多くのことについては以前からこのBlogで触れています。

日本国内でのボードゲーム商業は、長年にわたりメビウスゲームズさんをはじめとした「ボードゲーム屋さん」によって担われてきて、
これは2010年頃までは「絶対的」といっていい状況でした。私たち自身、メビウスさんやバネストさんが無ければ、
ボードゲームを満足に遊べることは無かったと思いますし、もしかしたら今やってなかったのではないかと。
日本におけるボードゲームショップの存在価値というのは、大きく以下の三本柱で成り立っていたと、自分は思っています。

・ボードゲームショップ以外ではヨーロッパメーカーのボードゲームを買えない
・ボードゲームショップがそれらの日本語ルールを用意してくれる
・ボードゲームショップが面白いゲームがどれなのか教えてくれる、選定して入荷してくれる

加えて言えば「ボードゲームショップの周辺にあるコミュニティにアクセスでき、実際に遊べる環境を得られる」ということも重要ですが、
これはどちらかと言えばショップにいらっしゃる皆様の領域ということも含むので、「ボードゲームショップの」柱とはここでは表現しません。
さて、自分の認識ですが、2016年現在、この3項目のどれも、ボードゲームショップの専売特許ではなくなったのではないかと。
ウェブショッピングの利便性が国境を超えて大幅に向上し、また多くの方がその状況に慣れ、気軽に利用するようになったこと。
SNSの大幅な浸透によって趣味のコミュニティの形成が円滑化した結果、「(ネット上のみの付き合いを含め)知り合いの愛好者の誰かにより」
「無償で」日本語ルールが用意されることが増えたこと。
国内愛好者の人数が増えたことで、(その確度や性格を別にして)ネットで調べることで多くの情報に触れることができるようになったこと。
ここでもSNSの存在が大きいはずです。

上記のような事柄が、「ボードゲームを遊ぶ上で、唯一に近い選択肢」だったボードゲームショップの存在を、相対的なものに変えてきた。
ボードゲームカフェが最近急増しているのも上記と無関係ではなく、2015年的な国内状況と関連した(自然と言えば言える)動きだと理解しています。
ボードゲームの輸入、和訳、紹介、販売という仕事が、未だ確かな意義を持っている一方、いくばくか意味が弱まった今、
むしろコミュニティをサポートする仕事に存在価値を見出すという動きには、一定納得を感じられます。
各地のボードゲームショップも、一言で言えば「差別化」を図っていることと思います。
既存の価値に安住しない形で新たな存在価値を生み出している、あるいは既存の価値を他の追随を許さないクオリティに高めていっている、
そういうお店は、国内でのボードゲームの広がりの追い風を満帆に受ける形で、繁栄を続けられているのだと、そう理解しています。
ニューゲームズオーダーのようにメーカーを名乗っていなくとも、独自のゲームや製品の出版を手掛けられているお店が多いことも、その顕著な例ではないでしょうか。


ニューゲームズオーダーを始めた時に自分たちが想定したのは、ボードゲームの問屋/メーカーであるニューゲームズオーダーと、
各地のボードゲーム専門店の皆様がタイアップする形でボードゲームを販売していくという姿でした。
これは前提として、「これからも、ボードゲームはボードゲーム専門店以外で大規模に売られていくということは無いだろう」
という想定によりました。だからこそ、自分たちが魅力的な製品を作って、これがより多く専門店で売れるようになれば、お互い儲かり、シンプルなWinWinの関係が生じると。
最近始められた方だと意外に感じるかもしれませんが、10年も前からボードゲームをやっている方であれば、
2010年頃のドミニオンのヒットをきっかけとして、ヨドバシカメラにボードゲームの大きな売り場が出来た時、本当にびっくりしたのではないでしょうか。
私はしました(笑)。一方ではそういう風に「どこでも当たり前にボードゲームを買える状況」を作りたいと願っていましたし、そういう話もしていましたが、
一方では自分でも「まさかぁ、流石にヨドバシカメラはないでしょう」と思ってしまっていました。
売り場が出来た時も、しばらくは「あの売り場は一過性で、ちょっと経ったら脈無しとみて撤退しちゃうんじゃないの…」という懸念を持っていました。
今日量販店にボードゲームを卸す問屋の担当者の方に「ボードゲーム、ますます調子いいんです。取り扱い増やしたいと思ってるんですよ」
と言われたりすることがありますが、未だにどこか信じられない。

少し脱線しましたが、ともあれボードゲームは、この5年ばかりの内に、私達の予想を「上回って」、
「ボードゲームショップで買うに決まっているもの」では無くなったということです。
これはこの1~2年に特に顕著な動きですが、ニューゲームズオーダーのボードゲームの卸先は、
2010年からの私達の「専門店、実店舗重視」の基本理念とは裏腹に、専門店への出荷の割合が低下していく形となっています。
額面で言うと、実質ほぼ横ばいです。専門店で売れているニューゲームズオーダーのゲームの数はほぼ変わらず、
新たな販売先に売れる量は増加しているということです。

これは一つには、ニューゲームズオーダーが中核にしている「絶版名作の復刻・日本語版」「数千部生産、安定供給」
という地道な方針と、
現在の専門店の多くに求められるであろう方向性のずれが理由だと考えています。
今や皆様に直接来店していただくからには「ならではの」「独自の」サービスを展開する必要がある専門店の店頭で、
多くの場所で買えるニューゲームズオーダーのゲームは、必ずしも華々しくは売れないかもしれないな…と、思うことは多いです。
(ある程度着実な売れ行きは見込めるのではないか、とも期待しておりますが)

ニューゲームズオーダーが志向してきたような、50タイトルの名作安定供給、というような方向性は、今むしろ、
「例えばAmazonのような」良い物を全て取り揃えるということを目指すような、総合的な売り場と親和性が高くなっている。
それも、実店舗だと物理的な売り場スペースや店員の商品知識の限界の為にボードゲームなどはしばしばプライオリティを下げられるが、
ウェブショップならばそれは無く、他の全てのものと並列に扱われる。
ニューゲームズオーダーの、どちらかというと売れていないタイトルをそれでも扱ってくれるのは、実店舗専門店よりウェブショップ、
ということに、必然的になってくる。

ううむ。

という懸念を日増しに強めていた所、Amazon.co.jpの方から連絡があったのでした。という所で長いので1回続きます。

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