2017/11/20 06:18 午前

「ババンク」「パトロネージュ」の前置き。

  • 2017/11/03 07:52 午後
  • 投稿者:
さて!久しぶりに本腰入れてブログを書く時間が到来したようです。
昨日、ゲームマーケット2017秋に向け発売を予定しているボードゲーム2種、「ババンク」「パトロネージュ」について、
ニューゲームズオーダーのTwitterにて発表させていただきました。

いや~。ババンクは製造完了にまで漕ぎ着けているんですが、パトロネージュについては未だ全く予断を許さない製造スケジュールのため、
「ちょっとまだ発表待ってー!」と叫びたい状況です。パトロネージュ、本当に出るのかな(笑)。
…ということなんですが、2017秋のパンフレットのカットには2つの画像を載せていましたので、
ここは覚悟を決めて、発表することにしました。

2つのゲーム、特にご説明することの多いパトロネージュに関しては近日中にこちらのブログで詳しく書いていきたいと思いますが、
その前に、現在の私達、ニューゲームズオーダーの立ち位置について確認していこうと思います。

当ブログや、私吉田の口頭では折に触れ繰り返し説明して参りましたが、2012年~2016年の5年間は、
ニューゲームズオーダーにとっての1つの期間と位置付けてきました。それは言わばニューゲームズオーダーが、

「国内コミュニティの内外にメリットをもたらす継続可能なボードゲームパブリッシャーとして存在を始められるかどうか」

を問う5年間でした。これは明確な意図をもって2012年の春ゲームマーケット(ファブフィブを発売した回ですね)に開始し、
その時点で5年間で完了させるという目標を設定していました。目標と言う以上に願望でもあったわけですが(笑)。
なかなかの紆余曲折を経たとは言え、結果としてはちょうど5年間で一つの形にできたという自己評価を、今はしています。
実現性ということを考え出す前の段階で、「念ずる」というのは大切だったんだなあと、改めて感じています。


さて、それでは何故、私達は前述のような目標を設定したのか。
それは何より、「私達が存在してほしい主体が存在しなかったから、自分たち自身で担当するより他無かった」ためです。
これは私以上に、22年前に私をカタンに誘った沢田が常々述べることですが。
「ボードゲーム、こういう風に持ってった方が絶対良いと思うんだけど…そう転がらないんだなあ(不思議)」という気持ちは、
学生の頃から今もって変わらない所ではあります。
正確には今も昔も、部分的には、他の心ある皆さんにやっていただけて有難ーい、という事柄も多々ありますが、
じゃあもう自分達全然動かなくてもいいかな、と思えるかというとそういうことは全くなく、
引き続き「やらにゃなあ」という事柄が山積している状況です。

誤解されがちですが、私は「ボードゲームをより多くの人が遊ぶ程に望ましい」と無条件に考えているわけではありません。
2017年の国内ボードゲーム状況を見るに、日本におけるユーロボードゲームに商業の風を吹き込んだ主犯格の1人と自分が見なされるだろう、
という認識は大いにありますが、それは「ボードゲームは存外良いビジネスになるのだぜー、はっはっは」という気持ちから行ったことでは、
まあ全くありませんでした。

私が仕事として始める前の段階では、商業的な顕在需要ということで言えばボードゲームに関してはほとんど無い、求められてない、
といって良い状況だったわけですが、ボードゲームが持つ価値について少し早く知った人間の一人である私は、
「潜在需要ということにまで目をやると、圧倒的な供給不足なのではないか…?」と感じずにはいられなかったのです。
顕在化していない需要に対して供給を先に始めて需要の顕在化を喚起する、というやり方で2006年にB2Fゲームズを始めましたから、
当時はなかなかのうつけ者扱いをされたものなんですが、10年間でその誤解は何とか解けたかなあ、という格好です。

自分は、世の中の一角に、身の丈ちょうどな形で、幸せな形でボードゲームが(も)存在したら良いんじゃないかなあ、と思ったので。
ボードゲームを以前から愛好し続けてきた方や、新たに興味を持った方が、よりすんなりとボードゲームの楽しさを共有できる状況を作りたい、
と言う方に重点を置いてきました。
その状況を作ることが、「今はボードゲームを知らないけれど、今後ボードゲームに出会って幸せを得うる人たち」に気づいてもらう余裕を生み出すだろうと。
必要以上の拡大を性急に志向する必要は本来なくて、気長にそこにあったら良いな、と。

しかしながら、私たち(や国内のボードゲームに関わってこられた皆さん)が現在のような取り組みを始める前には、
ボードゲームは、そこに踏みとどまることすらも至難な状況でした。
今となっては当たり前に手に入るようなボードゲーム環境(つまり遊びが継続可能な環境)も実現されていたとは言い難く、
吹けば飛んで散り散りになるような状態。これは問題だと、自分は真剣に捉えていました。
とりわけ私達が力を注いだことと言えば絶版名作の復刻、安定供給という所が分かり易いかと思います。
面白いゲームが入手できる状況が保たれる、というのは、ジャンルの継続にとっては一番手早い前提条件だと考えたのです。
ですから、特に2012年からはここに本腰を入れ、リスクは感じながらも絶版復刻のプロジェクトを連打し、
商業として継続可能な地点までの収益化を目指してきました。

2016年の終わりには約50タイトルのリリースを実現し、自分の中で「一旦ここまで」という区切りを付け、
2017年に入ってからはアクセルベタ踏みを止めました。少なくとも、ここを一つのセーブポイントと設定しようと。
ニューゲームズオーダーが、「無茶しなくても続く会社」となれたのかどうか、確認するフェイズに入りました。

2017年も暮れに近づき、ここ半年余り自社の推移を観測していて、「うん、成立した」という結論を、この数か月で出しました。
継続的に供給しているタイトルが堅調に売れていっているということは、増加傾向にある、
「今度の休みにでも、ボードゲームを遊んでみようかな」という皆様のお役に立ち続けていることと捉えられるからです。


以上のことは非常に喜ばしいことですが、それは同時に、私達の今後に新たな課題を突き付けてもいます。
「じゃあ何故これ以上、新規タイトルをリリースする必要があるのか?」ということです。
過去5年間はあった「ボードゲーム商業成立、継続のため」という大義名分は、今は後退したのです。
私達は、自ら創り上げたボードゲームを世に問いたい作者本人ではなく、ボードゲームの価値を、
ご希望の皆様にお引渡しして収益を上げる企業ですので、
「もう十分に、遊びきれない程のボードゲームが押し入れにも売り場にもあるんだけど…」という状況では、
さらなるゲームを出す意義は、大きく薄れかねないのです。


とは言え、心の一方には。
「いやー、どうしても、どうしても!出したいゲームがもう一つあるんですわー」という気持ちがあります。
「まだあの傑作を出してないじゃないか、ニューゲームズオーダーは!」という思いや。
東京ドイツゲーム賞を通じて、「こんなすごいゲームを作る人がまだいるんだー!」という発見は。
一つ一つのゲームのことを思い出すと、わくわくする心が呼び覚まされるのです。
このゲーム出したら、きっと皆、喜ぶぞー!と…。

だから。やっぱりまた新たに、ゲームを出そうと思うのです。ただ前述の通りですから。
今までも適当にゲームを出してきたことは一切無いわけですが(そもそも適当だと出せないのですが)、
今まで以上に、高いハードルを越えた上で、ゲームを出していこう。という思いの中で、今年はゲームを作ってきました。


…嬉しいのはね。
新たにゲームを作ろうとすると、相変わらず、めっちゃキツイです(笑)。
西山と二人、最近口をついて出るのは「こんだけバカ程やってきたのに、ゲーム作りって何でこんなしんどいんだろ…」
というフレーズです。
ババンクも。パトロネージュも。めっちゃキツかった…、というかパトロネージュは現在進行形でキツイ(笑)。本気ヤバイ。

何せ私ども結構合理主義者なので、その私達がここまでキツイということは、それだけたいそう価値のあるものを皆様に
お届けしようとしてるってことなんじゃないかな…、という、手がかりになってる所がございます。
わかんないんだけどね。みんな、楽しんでくれるかなあ。楽しんでくれたらいいなあ。
売れたらいいなあ。ええ。


ということで、次回ゲームマーケットまで1か月を切ったただ今から、おいおいとお話していこうと思います。
おそらくは、ある程度発売に自信のあるババンクから。
パトロネージュは間に合うかどうか予断を許さなすぎるので、状況が好転するたびに適宜お話してくような気がしてます。
待っててくださーいね(笑)。

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