2018/10/17 06:23 午前

ボードゲームのルール細部の解釈周辺についてのニューゲームズオーダーの本音のお話です。

  • 2018/03/06 04:52 午後
  • 投稿者:
今般弊社がローカライズを担当しているゲームについて、ルールが不明瞭な部分がありご質問をいくつかお受けしております。
特にルールが多かったり複雑だったりするゲームで、「これはどうしたらいいんだろうね」「これはどっちなんだろうね」
という状況につきあたることは少なくないものと思います。

ご面倒をおかけしておりますが、一つ「誤解を解く」お話と申しますか、ゲーム制作の現場にあたっての
「不思議な板挟み」のお話をしたいと思います。

ローカライズにあたっては、日本語ルール製作段階でも、「このルールはっきりしないなあ…」
という状況に陥ることは、新作旧作問わず、少なくありません。
ここでもちろん作者や原語版メーカーに問い合わせるわけですが…、意外と答えが返ってこないんですよね。
作者メーカーを問わず、「え?何の話だっけそれ?」みたいな反応、良くあるんです実は。
(あと答えが返ってきても「その回答では不十分なのでは…」みたいなものに留まることもしばしばあります)

メーカーの制作のトップとしての態度を問われそうなことを敢えて言ってしまいますが、
自分が制作の上で「『完璧』なルールブック」を追及しているかと言われると、Yesとは言い難いです。
実情としては、皆さんがゲームを楽しんでいただく上で、「概ね問題が無い」ルールブック、というあたりを想定しています。
「完璧」を目指しますと、コストが跳ね上がります。出版スケジュールは遅れ、販売価格が大きく上がってしまうのです。
ですから「ほぼOK」を「完璧」にすることでメリットを感じる方の人数と、なかなか販売されなかったり、
高くなったりすることでデメリットを感じる方の人数のバランスを意識している、といった状況です。
また、私やニューゲームズオーダーの各人が「ほぼOK」くらいのルールブックで特段問題を感じないから、ということでもあります。

※「ほぼOK」というのはどうしても曖昧ですが、今ニューゲームズオーダーから出版されているゲームの
ルールブックの状態がそれだとお考え下さい。

ルールブックが不明瞭な理由には大きく3つあって、

1. 日本語(翻訳もしくは記述)の不備
2. 原語の記述の不備
3. 作者/原語版メーカーがそもそもルールを確定させていない

といった感じです。各案件についても明確に区別できるわけではなく、これらの理由が併発していたりするわけですが。
意外に感じられると思うのですが、3は多いです。
例えばヴァス・シュティッヒを出版する際、カール・ハインツ・シュミールにいくつかのルールについて明確化を求めたら、
「そっちで決めて良いよ、いずれにしてもゲームの面白さは保たれそうだから」という答えが返ってきたりしたこともあります。
決まってなかったか、忘れたかのどっちかだったんだと思います。
その時は、「いや、過去の名作のルールを(細部とは言え)自分達が確定させるんですか…」と戸惑いましたが、最近はそうした事態にも慣れました。

ゲームの面白さが損なわれてしまうようなルール/ルールブックの不備は、もちろん極めて重大です。
ただ、「味がちょっと変わるけど、まあこれはこれで美味しい」みたいなことですと、途端に作者/メーカーの態度は変わります。

欧風ボードゲームのルール作りにおいて、デザイナーのこれくらいの態度は意外と「平均的」なのではないかな、
というのが自分が経験してきたうえでの印象ですし、実の所私も、この位の気持ちです。

「参加者がみんな楽しめて、何とか遊べるんならどっちでも良いんじゃない」
「ゲームの面白さが根底から損なわれるような部分でないなら、良いんじゃない」

という感じです。

「全プレイヤーが完全に同じルールを共有した状態で競技性を担保してプレイする」という方向性を、
ニューゲームズオーダーの出版物は志向していません。
(だから私たちは自社のゲームで競技前提のトーナメントを開催しておりません)
テーブル毎にルールが異なりますと、外のグループでプレイする時に解釈ずれが生じたりして一定ご面倒だとは思うんですが、
…プレイヤーの皆さんには、その場のすりあわせで引き取ってしまっていただきたい部分も正直あります。

ボードゲームを出版する各社の態度によって異なると思いますが、私達としては、
遊ぶ上で"ほぼ"問題無く遊べる基準にして、皆様の実際の利便が最大になればいいと考えております。
もちろん個別的には、必要に応じてルールの明確化も行って(原語版メーカーに求めて)まいります。

(具体的にはインペリアルのルールはいくつかPD社に問合せ中です)

都度自分達の役割を考えながら、ボードゲームの出版事業をやってまいりたいと思っておりますので、
引き続きよろしくお願い申し上げます。

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  • ボードゲームのルール細部の解釈周辺についてのニューゲームズオーダーの本音のお話です。
  • 投稿者: ゲストユーザー on 2018/03/07 10:26 午後
この意見には参堂します
しかしケーススタディ方式も採用してない
ルールの書き手は元からダメ
それ以上でもそれいかでもない
以上です
  • ボードゲームのルール細部の解釈周辺についてのニューゲームズオーダーの本音のお話です。
  • 投稿者: ゲストユーザー on 2018/03/08 07:13 午前
賛同します。ルールの整合性さえ合っていれば、あいまいさは許容したい。
競技性を求めるのも一つのプレイスタイルですが、
特に初めてプレイするゲームはルールを把握して勝利するのが手段、
楽しむのが目的だと考えています。負けたけどこのゲーム楽しい!と思えることもある。
ヴァリアントやハウスルールも似た考え方で存在する思っています。