さて!随分と間が開いてしまいました(笑)。お陰様でゲームマーケットでスクエアオンセール発売の後、一般出荷も開始できました。
皆様にお楽しみいただけているのかな、という感触はありますので、一つ肩の荷が降りたかなという気分ではあります。

前回の続きの話になりますが、ニューゲームズオーダーでのスクエアオンセール製品化の話については、
橋口さんにお声掛けしたのは2014年…というあたりの話でしたね。発売まで、長らくかかりました。
その理由は…ということなんですが、一口に言うと「出すのがずっと難しかったから」ということになります。

ご存知の通りニューゲームズオーダーでは、2014年に枯山水を出して以降も色々とゲームを出版してきました。
その出版に持っていくまでの判断というのがNGOで自分の最も大きな役割ということになると思います。
自分が何をやっているかと言えば、「このゲームをこういう形で商業出版したら各方面に良いのではないだろうか」
ということを(割と誰に頼まれるわけでもなく)考え出して、何かしらの手がかりが頭の中に生じた所で具体化して、
製品化にこぎつけるという仕事なのですが…、その「これなら製品化、行けるかな?」という感覚が生じたものしか製品化していません。
というかできないんですね。何せゲーム出版、売れればお金増えますが、売れないとお金無くなっちゃいますからね(箱だけが大量に残る)。

ごく簡単に言ってしまえば、買って遊ぶ皆様が「喜んで買える」製品を作ること。
加えてそれが、自分達に収益ももたらし、ボードゲームというジャンルにとっても良いことだと感じられるということ。
買う側と売る側のメリットを併せ持ったものが作れれば製品化できる、仕事になる、ということなんですが、
言うは易しで、えらく難しいんですよね。
「とても良いゲームだけど、今製品化して仕事レベルの収益を上げるのは無理かな…」というゲームは枚挙に暇がありません。

スクエアオンセールについては、「メーカーとなった以上自分達で出版する」という課題については、
それこそ2014年より以前からずっと感じていたんですが、ずっと難しかったですね。難しいゲームです。
内容物が多くてコストがかかるものだし、テーマがあまり具体的でないのでその部分で魅力をアピールする間口を作るのは難しい。
そしてルールが生じさせるゲームも独特なので「どういうゲームですか?」と「一言アピール」を求められると、正直ほんと困る。

きょうび、この「どういうゲームですか?」という質問に体のいい回答のできるゲームが、商業的には優等生、という結論は出ているんですよね。
一言アピールの文句がイイ感じであれば、内容がそこまでメッチャ良くなくても売れる気がします。
その点言うと、スクエアオンセールは問題児でしかない。
一言じゃ説明できないもののやっていただけばわかるかと思います、というゲームなので。

2014年当時、具体的な出版に向けての動きを始めたのは「いい加減着手しなければ…」という思いもありましたし、
橋口さんが(自主的に)デザインしてくれたゴー・ストップを行きがかりで製品化させていただけた勢いを
スクエアオンセールにも転化させたい、という思いもありました。
「+αの力が無ければ、このゲームはずっと出せないんだろうなあ」というのが自分が持っていた感覚でしたので。

ただそこからも随分時間がかかりました。特に弊社側の出版スケジュールの事情もあって制作は断続的になり、
橋口さんにもご迷惑をおかけしました。
どうしても「良いゲームである上に収益が期待できるもの」が常に優先順位が先になり、それさえいつもギリギリでやってきました。
その中では、(常に考えていたものの)スクエアオンセールはずーっと後回しになっていました。
会社存続の上で、これは自分のやる気でどうにかなるような話では無く、どうしても優先順位を上げられる方法が思いつかなかったですね。
「出したけど全然売れないね、やんなきゃ良かったねアハハ」ってわけにはいかなかったですしね(笑)。

そんな感じで、ずっと徐行制作状態だったスクエアオンセールの出版に具体性を持たせてくれたのが、橋口さんにいただいたパッケージの案でした。



これを見た瞬間自分は「やっっと出せるわー!」という感覚を得ました。助かった!というのが率直な感想で。ホント有り難かったです。
ずっと商業的な実像を結ばなかったスクエアオンセールが、ようやく姿を得たというのがこの箱のデザインです。
買う方に「これ、欲しいな」と感じてもらえるスクエアオンセールの箱って、一体どんなんだろうな~、
と暗中模索してきて幾年月という状態だったのですが、橋口さんにこの画像をお送りいただいた時「答え出た」と思いました。

素人目になりますが、このパッケージ、スクエアオンセールの「難しさ」と「楽しさ」の両面を、
最高に上手く表してると思うんですよね。「悩ましいけど楽しい」という以上に、「悩ましいのが楽しい」んだよ、というか。
「ボードゲーマーの頭の中」みたいなものを表しているのに、それでいてパッと見てもらってもカラフルで感じよく…、
ボードゲームを、ああでもないこうでもないと、うんうん言いながら遊ぶことそれ自体を、全面肯定してるような。

他のコンポーネントや、箱のサイズや、価格や、そういったものは、この箱を軸にして決めていった形です。
「この箱に入っているべき中身」というのを考えて作りました。これでめっちゃもうかる!とはやっぱり思いませんけどもね(笑)。
何とか出せる、総合的に判断すればNGOのラインナップに加えられる、そういう所まで、ようやくこぎつけることができました。

日本語版ということに限っても、びっくりする位たくさんのボードゲームが出てくるご時世になりましたけど、
こういうものは正直無いと思います。無くなってしまってるのかなと。
今回書いてきたような、「会社がソロバンはじいた上での通り一遍のボードゲーム出版」というものには、
1個限界来てると思ってまして。
なーんか絶妙につまらなくなりますよね。
(NGOというのはだからこそある意味意図的に、そういうことを頑張らないようにしていますが)
「仕事として考えるとまあこうなっちゃうわけです」という出版からは一層距離を置いていこう、
と思っておりますし、そのことを一つこのスクエアオンセールで示せたんでは無いかなと。
6000円が高いとお感じであれば買わないで良いのだろうと思いますし、
面白いボードゲームが欲しいという方にとってはお財布の中の6000円より明確に価値の高い箱なのではないかと思いますので、
当面売り場の一角に置いておこうと思います(笑)。

ということで一旦以上です。スクエアオンセールね。自分はもう、自分用かなと思うほど面白いと思ってます。
うんうん悩んで馬鹿笑いできるボードゲームです。…お、売り文句浮かんだ(笑)。ということでよろしければどうぞ。

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