2020/08/11 09:41 午前

台湾発のボードゲーム「電力世界」日本語版を発売します。

  • 2020/05/16 07:58 午後
  • 投稿者:


ニューゲームズオーダーの新製品としまして、この度ボードゲーム「電力世界」日本語版を発売します。
価格は税抜4500円(税込4950円)です。プレイ人数は2~4人、プレイ時間約60分の中量級ボードゲームです。
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と、さらりとご紹介しましたが…いかがでしょうか?皆様の反応はいくつかに分かれそうですが、
このゲームを既にプレイ済の方は「あ~、なるほどね、分かる!」となりそう。
「NGOはめちゃくちゃ好きそうだよな、あのゲーム!」と(笑)。

一方には「電力世界?電力会社なら聞いたような…」という未見の皆様もたくさんいらっしゃると思いますが、
そんな中でも昨秋のゲームマーケットにいらしていた方ならば「パッケージには見覚えがあるような?」
とお感じかもしれません。


http://www.newgamesorder.jp/games/electropolis

電力世界は、台湾のホモサピエンス・ラボというグループが作ったボードゲームで、
ゲームマーケットには出版元であるTBD(台湾ボードゲームデザイン)が昨年売りに来ていたゲームです。
台湾のボードゲームと言いますと昨今界隈で「暴れまわっている」と表現するのがしっくり来るくらい元気で、
何といいますか「青春時代を謳歌している」印象。
欧米産に飽き足らなくなったボードゲーマー達が台湾をはじめとした若々しいアジア産に飛び付いている、
という風景は(ボードゲームの流行の行きついた一角では)少なからず現出しているのですが、
そういうガッツ溢れる愛好者の方々が発見した特上の掘り出し物、それがこの電力世界です。
…という説明で大体合ってるかな?

電力世界の現物が最初に私たちの所に来たのは昨年の夏でした。
というのも、台湾で開催されているボードゲームイベント「月光卓遊節」(ざっくり言うと台湾のゲームマーケットですね)
に沢田やB2Fによくいらっしゃる皆さんが昨年訪れて、戦利品として持ち帰ってきた中に電力世界もあったからでした
(そのイベントの開催はたしか6月末でした)。

立川で初めて遊ばれた際、自分は仕事をしながら横から様子を眺めていたんですが(最近よくある形…)、
その場の全員が「これは凄い」という(酸いも甘いも…という古ゲーマーなのでなかなか普段しないような)
大きな反応を見せたので、その時点で「お、特賞引きましたか」という第一印象でした。
自分としては「大物来たなら、無理せず自分も遊ぼうとしなくても、そのうち遊ぶ機会が来るでしょう」
と頭にはしっかり入れつつ未プレイのままいたのですが、そうした所ゲームマーケットの現場で
「電力世界、台湾のブースに来てる」という話になったのです。

自分はもちろんニューゲームズオーダーのブースでしゃかりき働いてたので、他の人に「買っておいて!」
と頼み、ついでに「ブースの様子どうだった?争奪戦起こってないの?」と聞くと、
「いや、どっちかっていうと空いてた…自分らが連続で電力世界買ったらすごく喜ばれたもの(笑)」という。
最近の傾向で、その場に大物が来ていても、噂が立って流れができるまではホント無風。
こういう風景は昔から無くは無かったですが、近年特に目立つようになった印象です。
タイトル数が多過ぎるし、どのゲームの売り手も売り文句は並べますから、ホント判断は難しいんだとは思いますけども。

初めて目にした際に「まあ慌てるな」と遊びもせず、ルールにも目を通さず、という姿勢だったのは、
もちろん近年のボードゲームタイトルの獲得競争が激しいという前提があるからで、
そこまで目ぼしい物であれば既にどこかの企業が契約している可能性も高い、
まだその段階で無くても秋ゲムマに噂が轟けば早晩そうなるでしょう…、そうなれば敢えてNGOの仕事にしなくても、
自分達には自分達の仕事が沢山あるわけだから!という立場に立ったものでしたが、
19秋ゲムマの現場でもその状況、ということで、「とにかく1回やって、それ次第では、うん」と、考えを改めました。

ここまで敢えて語らず飛ばしてますが、当然ながら一部マニアの間では電力世界は絶賛の評判が回っており、
既に天下取ったみたいなムードも隅では漂っていたのですが(笑)。
10年も前のゲームマーケットと違い、とにかくそういった評価や名声といったものがなかなか全体には浸透していかない、
というのが昨今の状況です。

ユーロボードゲームの愛好者の皆さんはゲームへの造詣を年々深めているはずですし、人数も(おそらくは)増加して行っている。
しかし全体の人数からするとどんどん少数派になっていっている(全体数が激増したから)、
影響力も低下しているのではないかな…、というのが、以前から語っている自分のざっくりとした感覚で、
その見方は今回の電力世界を取り巻く風景でも補強されることになりました。
「電力世界、すごいゲーム来た!」と気付いている人たちと、「電力世界?何?」という人たちの距離の隔たり。
ホントに我々、少数派になりましたよ(笑)。
同じゲームマーケットの会場にいて同じ空気を吸っているようで、以前のような一体感を求めるのが難しくなったことには、
やはり一抹の寂しさはありますが…まあこれも時の流れですから、そんな懐古を言っても仕方が無いですね。

ともあれゲームマーケット秋が終わり仕事もひと段落したので、自分もやりましょう電力世界、と初プレイしました。
…その日にホモサピエンス・ラボに一報入れました。「日本語版、予定無ければ弊社からいかがですか?」と。

聞いてたからそうなんだろうとは思ってたけど、実際遊んでみると、本当に凄いゲームでした。
その日言った感想としては「完全にドイツを過去にしたな…」と。
「これからはボードゲームといったら台湾が先進国ってことでいいんじゃないか」とも言った(笑)。
他の人が作った(製品にしたという意味での)ボードゲームでここまで「凄い」と思ったのはちょっと前に記憶がありません。
総合力という点で、こんな心技体整ってるボードゲームはそうそう出来るものではないからです。技術と運があります。
ホモサピエンス・ラボという、失礼ながら自分は知り及ばなかったグループがいきなり世界一みたいなボードゲーム出してきおる。
台湾どうなってるの!

未プレイの方もルールはNGOウェブサイトでご覧いただければと思いますが、内容としては非常にベーシックで、
「見たことない!」みたいな大仕掛けは基本的には無いんです。
駆け引き、ジレンマのコアの部分は「エル・グランデ」を継承している。「もっとホイップを!」的な思考も働く資源の分け合い。
先行する傑作「電力会社」が確立させた発電所と燃料の関係性も、てらいも無く使っている感もある。
手番順を争いながらタイルをもらい、自分の街のボードに発電所タイルを置いて埋めていき、
それに応じた燃料タイルも確保してたくさん発電するとゲーム終了時に点になります、でも環境破壊に気を付けて…、きわめて普通。

ただ、とにかくクオリティが高い。ルールが分かり易い。アートワークが良い、それでいて視認性も良い。
全てが素晴らしく適切に統合されている。
昨今のほとんどのボードゲームができてない、というか辞めてしまったのかもしれない、
ユーロボードゲームの王道の作り方をスパーンと全うしている。

やっぱり魅力の根底にあるのは、このゲームを作っている人たち自身が楽しんで作ったのだろうと満面に感じられることですね。
ボードゲーム作りに全く飽きてない。「こうしておけばいいんでしょ」みたいなのが無い。お仕事感が無い。若々しい。
面白いボードゲームを作りたいという気持ちの純粋さに着想と技術が伴ったらこうなるのかな、と思います。

…と、いうことで、率直に申し上げるとコスト面ではなかなか簡単でない(利益的には薄い)と言う部分があるのですが、
でも多少なりともこのボードゲームの日本での普及にも貢献させていただいた方がいいだろう、ということで、日本語版をご用意しました。
販売価格も、あちらが付けていた4000円台を何とか保っておこう、という設定です。
(自分達が付けて良ければもっと上げますが…致し方ないところです(笑))
生産はあちらに全て任せているので、自分達の仕事はローカライズして流通、ということです。
日本語ルールについても、先方が既に用意して添付していたルールは8割がた使えるものだったのですが、
ニューゲームズオーダーから出すという事で用語の微調整や明確化と、あと大きい所ではカードテキストを全て日本語にしています。
原語版を持っている方が敢えて買い直す程では無いと思いますが、どちらか選べるということならこの日本語版をお選びいただくのが良いのではないかと。

本当に、今日広がって活況を呈しているボードゲームの「中心」にあるのはこれ!
って言ってしまいたいほど、堂々たる正統派の魅力を持ったボードゲームです。
そんなに生産数を用意できたわけでは無いのですが、願わくばたくさんの人に遊んでいただきたいですね。
初回生産数くらいあっという間に売り切れるくらい売れて欲しい。利益を上げたいというより、それ位のゲームだと思うからです。
「見かけたけど」「面白いらしいという噂だけは小耳にはさんでたけど」という方は多いのでは無いかと思いますので、
よろしければこの機会に触れていただけましたら幸いです。ボードゲームというのは、こういうもの。絶対、損はさせないよ!

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