2020/09/20 10:39 午前

カードゲーム「探偵稼業」を発売します。

  • 2020/05/24 08:45 午後
  • 投稿者:
確か少し前のブログで、ゲームマーケット向けにゲームの新製品を3種用意していた、と申し上げておりました。
フードチェーンマグネイト拡張、電力世界、そしてもう一つ、ということで…。





http://www.newgamesorder.jp/games/detectivelife

春のラスト1個がこちら、「探偵稼業」になります。
麻生忠嗣さん作のプレイ時間30分、3~5人用のカードゲームです。
アートワークは今回もママダユースケさんにお願いしました。
価格は税抜2000円(税込2200円)となります。

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こちらのタイトルに聞き覚えの有る皆様…、お待たせしました!
お待たせ致しましたーーーー!

本作は、第2回東京ドイツゲーム賞で弊社がパトロネージュと共にニューゲームズオーダー特別賞とさせていただいた作品です。
…第2回東京ドイツゲーム賞。振り返りますと、開催したのは2016年!いやー。本当に、お待たせ致しましたとしか言いようがございません。

作者は麻生忠嗣さん…ということで、ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、第一回の同賞にて「曼荼羅」を出品され、
やはりニューゲームズオーダー特別賞を受賞した方です。
曼荼羅は本当にアタマ煮えるかなというくらい難しい長時間ゲームで、我々に忘れ難い衝撃を与えた作品でしたので、
第2回の一次審査の際、ご応募いただいた多数の書類の中に麻生さんの名前を見つけた時は「あれ、麻生さんまた応募してきてる!」と驚きました。
曼荼羅を作って、次に応募してくるゲームってどんなのだろう?と興味を持って応募書類を確認した所、
それは2時間級のゲームであった曼荼羅とは対照的に、30分で遊べる短時間のカードゲームでした。

ルールがシンプルすぎて、正直「…これで面白くなるものなのか?」という気持ちにもなったのですが、
ともあれこれは実際に遊ばせてもらわなければ、と、一次通過を即断しました。
そして、二次審査にてお送りいただいたサンプルを遊んだところ…、面白かった。
面白かったし、もう一つ言えば新しさを感じるゲームでした。

無数とも言って良い程に多くのボードゲームが出版されてくる今日にあって、
シンプルなのに新しい、新鮮な面白さを持ったゲームというのは間違いなく貴重です。
それを私たちが行っている賞に応募していただいた以上、これは何とかして皆さんに遊んでいただかなければ!

…と決意してから、出版に至るまで早4年以上の時が経ってしまった理由を以下にご説明します(笑)。
端的に申しますと、こちらのゲームは製品化が非常に難しかったのです。

「え?シンプルなカードゲームでしょ?NGOはフードチェーンマグネイトとか出してるんだから、比べれば造作もないのでは?」

とお感じの方も多いと思うのですが。

ルールをご確認いただければすぐにわかるのですが、こちらのゲーム、メインの用具は48枚の情報カードです。
探偵となった自分達が捜索する6種類のターゲットが描かれており、その背景は街の8つの場所になっている。
全く同じカードは1枚も無く、捜索対象6種×場所8種で48枚、ということなのですが、…このゲーム、
プレイヤーは開始時に情報カード3枚を手札として受け取り、ゲームを通じてこれらを全て「カード立てに立てておく」必要があるのです。
メジャーな所で言えばラミーキューブのような感じですね。
そして手番が来る度新たにカードを1枚引いてはまたカード立てに立てる…ということで…、たくさんのカード立てがいるんです。
1人3本いる、と麻生さんからも指定がありました。5人まで遊べるゲームですから…15本!

しかもこのゲーム、手札の情報面が自分に見えるようにカードを立てる必要があるだけではなく、
背面(捜索対象は描かれておらずカードの示す場所だけが描かれている)を公開情報として他のプレイヤーに常に明示しておく必要がある。
だから、カードは寝かせたり寄りかからせたりせず垂直に立てて、どちらの方向からもカードが見え易くなければならない!

もうこの時点でお分かりの方も多いかと思いますが、この探偵稼業の実情、製品としては非常に不吉な予感に繋がります。
ゲーム内容としては申し上げた通り30分の気軽なカードゲーム、内容物のメインはカード約50枚、なのですが、
言わば「脇役」の用具にあたるカード立てがめっちゃ沢山要る上に、クオリティも大事。
そしてカード立てはかさばる。馬鹿正直に入れたら箱はでかくなる。コストも上がるから値段も上がる。
そしてゲーム性を考えると、「カード立てを省略してリリース」は不可能。

麻生さんに送っていただいたサンプルの時点で情報カードはミニサイズのカード(というよりはタイル)の形をしていましたが、
これはもっともな形で、何故ならゲームプレイ時の取り扱い上、大きなカードにすればするほど必要なカード立ての数が増大して行ってしまう。
カードはミニサイズで確定としよう、そして…と考えていくと、どうしても箱の中身の8割以上がカード立てで埋まってしまうアイテムになるんですね。
必要な箱サイズも、常識的に考えればNGOのモダンアート以上のサイズになる。
ということは3000円~3500円になるんだけど…いや、それは売れない…ゲーム内容も見た目の印象も短時間カードゲーム…。

こんな感じです。価格と内容のバランスが整わない。
魅力的にならないという、きわめてシンプルな難題を克服しようとしていたら、2020年を迎えてしまったという次第です。
ゲームマーケットに訪れた海外工場の担当者に
「しっかりしてて重ねてしまえてリーズナブルなカード立てを15本作って小箱に収納する必要がある!」
と熱弁して苦笑いさせていた記憶(前回のゲームマーケットですから電力世界の話をしていたのと同じときですね)。

我ながらなかなか無茶を言っているなあ…という実感はそれはあったのですが、
出しても高ければ結果売れない、売れなければ遊ばれない、遊ばれなければ知られないわけですから。
上手く製品にしてリリースできなければせっかくの面白いゲームでもほとんど気づかれずに流れ去ってしまう。
重々承知しているからこそ、何とかコロンブスの卵を立てなければいけないぞ、ということでした。

↓そして自分たちなりには何とか漕ぎ着けた製品がこちらです。



箱ですが、モダンアートより一回り小さくすることができました。
NGOでいうと底面はビザンツと同寸法です(少し分厚くなっておりますが)。



そして、この通り!箱には約16cmのカード立てが15本、しっかりと収納されています。
カード全体を見易くするために透明にしました。ラーの中敷き等にも使われている素材です。



こちらのカード立ては重ねられますので、5本ずつ重ねて3列で箱に収まります。
もちろん他の紙コンポーネントも入ります。
しれっと言ってますが「重ねられるようにする」というのが大きなハードルでした。



こちらがカードを立てた状態。探偵稼業のミニカード(というか薄手のタイル)が5枚、ほぼ垂直に立ちます。
1人につきカード立て3本あるので、15枚までは手元に立てられ、5人で遊んでも大概問題は起きないはずです。



逆から見るとこんな感じ。他のプレイヤーからもカードの場所(色+数字で表示されています)
は公開情報として確認できます。これもしれっと言ってますが、
カードが垂直に立たないと他のプレイヤーの手札を確認することに大きなストレスが生じるので、
このゲームにとっては死活問題でした。


…とまあ、こういう感じです。こちらの冒頭に書いた通りですが、価格は何とか税抜2000円とさせていただけました。
どうしても3000円でなく2000円のゲームにしたかった。その理由は、
「より多くの人にとり、金額的な抵抗無く買って試せるゲームにしたかった」からです。

これは探偵稼業に限りませんが、誰もが好きになるゲームというのはそうそう無いわけです。
ただ「好きそうなゲーム」だけを買う、ということに皆さんのお買い物が過度に収れんしていくと、
偶発的なゲームとの出会いは減っていくのかもしれないな、と思います。
こちらの探偵稼業というゲーム、実の所、皆さんがどのようにお感じになるか(つまりどれくらい受けるのか)
どうしても想像が付かない所があるんです。

例を一つ出しますと、NGOで「バントゥ」というゲームを扱っているんですが、
実はこのバントゥ、初回生産分を売り切っており、ただ今仕様を少々変えての再生産の検討中です。
自分達としてはバントゥは名作だと思うけど、でも難しいんじゃないか、ルールこそ短いけど、という感じだったのです。
しかし蓋を開けてみると意外なほどカジュアルに買っていただけ、嬉しい誤算となったゲームでした。
言うなれば、「『こういう難しさ』は大丈夫なのか、今遊ぶ方々は…」という発見がありました。

翻って探偵稼業。間違いなく、面白いし、やってみていただきたいゲームなのです。
自分達の知らないどこかの誰かが「これ、すげー面白い!」と感じるかもしれないゲーム。
多くの人に遊んでもらえるかもしれな「かった」ゲームには、したくないんだよなあ、
というのがこのゲームについての私の思いで、そうなってしまう一番大きな要因は、やはり価格なんですよね。
「買ってみてしまえる」値段の線というのは、2000円あたりにまず太く引かれている、という実感は働いていてありますので、
3000円ではなく2000円にしたかった。そのためには箱を小さくせねばならず、でもカード立ては入れねばならず…、そんな感じです(笑)。

一つあるのは、えらく苦労しましたが、自分はそれだけする価値のあるゲームだと思ってまいりましたので…、出せて良かった!肩の荷が降りました。
何とか漕ぎ着けましたので~、皆様気軽に試してみていただけたら嬉しいです!
あ、あと西山が「このカード立て15本だけでも余裕で2000円なのではないか」と言ってましたので、その点でもお勧めです(笑)!

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