2017/08/18 05:50 午後

ロール・スルー・ジ・エイジズ(Roll Through the Ages)

  • 2011/03/11 06:39 午後
  • 投稿者:


http://www.newgamesorder.com/games/rollthroughtheages

ボードゲームの話第2回ということで、今度こそ「チグリス・ユーフラテス」の話と思ったんですが、
かなり長くなる気がしたので一旦回避。ロール・スルー・ジ・エイジズの話を書くことにしました。
ニューゲームズオーダーで日本語版を出したヤツですね(笑)。
もちろんそこも書く理由なんですが、ちょっと思い出した話がありましたので、書いておこうかと思います。

このゲームの日本語版を出したのは、問屋を始める時にタイミング良くメーカーから
オファーをもらったのもありますが、このゲーム自体がゲームの面白さ、分かり易さ、ルールの長さ、
コンポーネント、そして価格と、非常にバランスよく、高いレベルでまとまっている印象を受けたからでした。
あちらを立てればこちらが立たない物なので、こういうゲームは新作では意外と無い。
分かり易いばかりでもう1つなゲームや、面白いけどルールが長いゲーム、
そして面白いけどお値段が高いゲームが世に溢れております。
ゲームを深く愛好する少数の方々にはルールの長さも値段も何のそのだとは思うんですが、
よりカジュアルにゲームを遊ぶ多数派の方にとってはそうではなく。
そうではないということは、そういうゲームは世に出にくい、売れないわけでございます。
何もかも突き抜けるくらい素晴らしければ、多少わかりにくくても高くても平気なのかもしれませんが、
2011年の未来まで来るとそういう大物もおいそれとは出にくい。
一番最近の大物「ドミニオン」にしても、上記のようなことは凄く気にして作られているように感じます。
なので、ロール・スルー・ジ・エイジズが後々ドイツ年間ゲーム大賞の候補に入った時も、
嬉しさもさることながら「納得」と言う心境でした。

ただ、日本語版をリリースする前にこのゲームの弱点かなと思われたのは、
スコアシートにペンで記入する必要があることでした。
昔ながらのゲームでは結構ある方式ですが、豪華なコンポーネントを好む方々からは、
御不評もいただくだろうなと。
メーカーにすれば、価格を3000円台に抑える為の妥協部分かなあと思ってはいました。

ただ、後々「他の理由もあるのかもしれないな」と思ったことがありました。
日本語版リリース後、何人かの方から「ゲームが意外とあっけなく終わってしまう」
「プレイ時間が短い」というご感想をいただき、「あれ?」と違和感を感じたのです。
自分達が遊んだ際にはそんなことはなく、むしろ価格に比べれば内容は濃いかなと思っていたので、
そういったご意見は自分には不思議に感じられました。

社内で原因を色々話し合った結果、1つのことに思い当りました。
「ゲームが早く終わる方々は、互いのスコアシートをゲーム中に確認し合ってないのかも」ということです。
ロール・スルー・ジ・エイジズで早めにゲームが終わるパターンというのは、
おそらくいずれかのプレイヤーが進歩を5個獲得した場合です。
進歩を5個取ったら勝てるというわけではなく、誰かが進歩を5個とったラウンドにゲームが終了となり、
高得点のプレイヤーの勝利となります。
その為、このゲームを全力でやろうとすると、どうしても他のプレイヤーがどんな進歩を取ったのか、
4個目の進歩に手を付けそうなプレイヤーはいるか、大きなモニュメントを作る時間的余裕はあるのか、
ということが問題になり、「今終了ボタンを押していいのか?」と考えることになります。
(勿論「他のプレイヤーがもたついている内に進歩5個取りで勝ち!」という戦術もありますが)
そうすると、結果お互いのスコアシートの状態についての会話をがやがやすることになります。
自分にとっては実の所、ここがロール・スルー・ジ・エイジズの楽しいポイントの1つです。
見た目はソロプレイ的ながら実際はまったく異なり、プレイヤーの嗜好に伴って、
言葉での駆け引きや交渉を存分にできる。
これは決して一筋縄でいかない部分ではありますが、間違いなくゲームの魅力だと思うのです。

作者のマット・リーコックは、敢えて分かりにくいお互いのスコアシートを確認し合わせることで、
自分が考える楽しみをプレイヤーに味わわせたいのかもしれないなと。
その狙いは、リーコックの代表作である「パンデミック」にもあったものです。

パンデミックでは、「お互いの手札の内容は口頭で伝えあっていいが、見せ合ってはいけない」
というルールがあります。
「おい、俺赤のカード2枚持ってるよ」「マジで、それなら良い手あるぞ!」みたいな会話が起こること。
それこそが、リーコックの狙い、デザインしたかった所なんじゃないかなと。

このゲームをこれから遊ぼうかな、と言う方は、
そういう所をちょっと気にしながら遊んでいただけたらと思います。
きっとボードゲームならではの盛り上がりが味わえます。
いやあ、白熱すると意外と早くは終われないですよ、このゲーム(笑)。

あ、忘れてましたが一応。3600円で好評発売中です。
B2FGamesで買ってくれたら嬉しいですが、他のお店でかっていただいても嬉しいです。
あとNew Games Orderお取引先の皆さま、未入荷でしたらお取り扱いいただけると嬉しいです(笑)!

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